年の瀬の29日、東京の講師の島さんが私の元にやって来られました。
島さんの相談は、自分のやりたい作品が、照明塾としてやってもいいものかどうかということ。
そこでハタと気づきました。
私の中では「あかり作りは何でもアリ」ということで進めてきたつもりですが、照明塾のイメージが造形的なもの中心で、インテリアに絡むようなシンプルなものはやらない・・という風に受け止められていた・・ということです。
島さんがやりたかったのはこんなあかりです。
これはペンダントになる予定ですが、試しに作った試作品です。
市販されている照明器具を自分で観察して研究していたそうです。
こういう作品を作るには技術と道具や治具が必要となります。正確に作らないと和紙を張った時にシワが出てしまいます。
強度や構造のことも考慮しないといけないので、この場合はこういう図面を描いて、こういう道具を使って、こんな手順で作ればいい・・・・とお話ししました。
あと、このような暮らしに密着した作品の場合は、光の出方(配光)、色温度、グレア・・・・と、照明器具としての基本機能を抑えたデザインであることも必要であるということを光の実験を交えてお話ししました。
島さんからは「もっと早く話を聞きにくればよかったぁ〜」「照明塾ではこういう作品はやってはいけないと思っていましたぁ〜」と、思い切って大阪まで来て、長年のモヤモヤが解消したようです。でも、このような島さんの思い込みは、他の方も同じかもしれませんね。
動物や植物といったモチーフの作品は、「人の心に寄り添うあかり」です。このようなシンプルな作品は「暮らしを快適にするあかり」です。
これまでは、相談があればこのような作品づくりも指導させていただいていますが、対外的なイメージとはズレがあるように思います。以前有馬温泉の御所坊さんからの依頼でスタンドの修理をしたことがあります。シェードだけ新たなイメージで作り変えたのですが、こんなこともしているというのはあまり知られていないのかもしれません。
私は照明デザイナーですので、光による人の心理への影響を一番に考えています。今、照明塾に来ていただくと、いろんな光の体験ができるようにしています。来年からは、もっと「暮らしを快適にする灯りづくり」も前面に出して行こうと思いました。
自分のことを内側から見ているだけでは、本当に伝えたいことが外からは見えていないのかもしれないですね。島さんの相談は、そんな大切なことを気づかせてくれたように思います。
照明塾ではいろんなことができます。先入観にとらわれず、何かあかりに関する相談事があればお気軽にお越しください。お待ちしています。
そんな相談の一つですが、来年の2月頃、四国高松に小さなシェアハウス&民泊ができる予定です。そこを運営されるのは精神科のお医者さんです。先生は私たちのあかりに大きな期待を寄せていただいています。そこでこんな灯りを考えました。
まだ試作品ですが、この作品は「心と向き合うあかり」になると思います。
そしてこれは多分、ヨガの瞑想の時にも使えるものになると思います。このあかりに関心を持っていただけたら是非照明塾へお越しください。(このあかりは、来年手作り通販サイト「クリーマ」で発売しようと考えていますのでお楽しみに)